有田散歩



 陶磁器の里 有田の入り口は 「上有田(かみありた)駅)

 長崎本線肥前山口から単線で佐世保に向かい7駅 無人駅です

 電車はワンマン 切符は駅前の酒屋で買います

 隣の有田駅に続く道は 両側にびっしり器の店が続きます
 よくぞ此れだけ並んだものだと思うくらい

 半面 食べ物屋が少なく 寿司屋 ラーメン店 鰻屋 郷土料理屋の4軒のみ
 喫茶店に至っては皆目見付かりませんでした
















 今回の旅の目的は この方にお会いすること 石場神社にて


  陶祖 李参平 朝鮮忠清道金江出身
    朝鮮役の際 鍋島直茂が連れて来た陶工の一人 日本名 金ケ江 三兵衛と名付けられました
    朝鮮時代の名前は伝わっていません

    1616年 有田東部泉山地区で磁器生産に適した良質で大量の白磁石を発見し天狗谷(白川)の地で 
    日本初の白磁器窯業を始め 此れが有田焼の起こりと云われています

    現在では考古学的な発見により1610年代の前半には 有田西部で磁器試作・作陶が始まっていたことが
    確認されています

    市内龍泉寺過去帳に 1655年9月10日(明暦元年8月11日)没 戒名 月窓浄心居士とあり
    1959年天狗谷窯付近で戒名が刻まれた墓石の下半分が発見されています
    (今回 時間切れと体力不足で参拝出来ませんでした)




















 上有田駅から泉山地区に向かう道の近くは こんな山が沢山あります
 何となく 良い石が出てきそうな感じです




































 上有田駅を降りて 泉山地区に向かう道の脇に 元帥海軍大将 古賀峯一の生家がありました

 所謂 海軍乙事件で殉死する連合艦隊司令長官 色々な意味で彼の死は惜しまれます













































 最初の見学場所は此方
 泉山磁石場の西側に 石場神社があり 李参平が祭られています
 



 案内表示にある 高麗神らしき石碑 文字は殆ど読めません


























 李参平像は 磁器製 痛みが激しくなっていました





































 石場神社の脇の崖 巨大な一枚岩 良質な白磁石のように見えます



































 此方が 泉山の採石場

 李参平が最初に白磁石を発見した場所と云われています























 実際の白磁石は こんな形で埋まっています



































 採石場に立つ 李参平発見の磁礦地の碑



































 唐臼

 砕石された白磁石は この唐臼と呼ばれる機械で細かく粉砕されます
 水車小屋の臼と同じ原理で 左側の大きな桶に川から水を流し込みます
 鹿威しのように水の溜まった左側の桶が沈み 水があふれ出て右側の杵の部分で磁石を粉砕します

 焼き物に使う磁石は細かく粉砕して水に溶かし 上澄みの部分を除くと粘土状の陶土が残り
 この部分を捏ねて 焼き物を作っていきます


















 杵の先端部分 砕石される処





































 有田町歴史民俗資料館

 有田焼の工程を詳しく展示で説明してくれます 入場料 ¥100

 有田の白磁石が展示してありましたが 少し黄味がかっており
 天草の白磁石のほうが真っ白でした
 石だけなら天草に窯業が発展しても良いはずと思いましたが。。。













































 上有田と有田を繋ぐ陶器店がずらりと並ぶ道から一本奥に入ると
 実に風情のある小道があります

 「トンバイ塀のある裏道」と 観光案内に載っている道
 トンバイとは 登り窯を築くために用いた耐火煉瓦のことだそうで
 使い捨ての窯道具や陶片を赤土で塗り固めて作ったのがトンバイ塀だそうです
































 有田の三右衛門 といえば 赤絵付けの酒井田柿右衛門
 絵付けの源右衛門 そして色鍋島の今泉今右衛門

 柿右衛門は 有田町 以前にTVで観たことがあったので
 今回は 今右衛門をじっくり拝見しました

 良い器は 眼の保養になります






























 結婚式の引き出物でいつもお目に掛かる香蘭社旧館

 旧館は事務所に 新館は展示場・美術館になっています













































 陶祖李参平のご子孫が今も陶業を続けておられるようです
 少し敷居が高くて 外から覗くだけにしました













 




















 JRの踏切の先に 目指す陶山神社があります














 些か事情があって足の竦む階段を 3往復もしてしまいました




































 珍しい磁器製の鳥居 明治21年に陶工たちが寄進
 昭和31年の台風で倒壊するも4年後に 香蘭社第10代深川栄左衛門が修復をされたそうな
 


































 奉納額は お皿など磁器が多く しかも素晴らしいものばかり

























 社の脇は磁器だらけ

























 これまた珍しい磁器製の狛犬
 明治20年第10代今泉今右衛門作



































 境内から有田の町を見渡します

























 大正6年(1917)有田焼1300年を記念して建てられた李参平碑

 陶山神社から一度線路脇まで戻り もう一度山登りに挑戦 途中何度息継ぎをしたことか


































 李参平碑の脇に置かれた灯篭
 珍しくも三頭の獅子が支えます
 韓国風なのでしょうか



































 































 陶山神社の下の駐車場に見付けた灯篭は銅製
 頂上に置かれた小さな狛犬は 表情も素晴らしく生き生きとしています





 陶山神社の脇にも 古賀峯一元帥海軍大将の顕彰碑がありました