唐津駅に立つ 五足の靴文学碑

 五足の靴の主は
   与謝野鉄幹 「K生」
   木下杢太郎 「M生」
   北原白秋  「H生」
   平野万里  「B生」
   吉井勇は  「I生」

 岩波文庫「五足の靴」(2007年刊)は
 100年前の文豪達の紀行文だそうです




 唐津城築城400年の幟と
 陶製の唐津曳山

 昔 唐津の駅前には鍋島藩の
 製鉄所の模型が有った様に思うのですが...

















 十四代中里太郎右衛門陶房です
 唐津駅から徒歩5分
 12代(無庵 人間国宝) 13代(逢庵)
 14代の作品が拝見出来ます

 私の唐津焼の原点は 此処から始まります









 門の奥にどんな世界があるのか
 心がときめきます













 邸内の達磨像が どのような意味が有るのかは
 不明です
 まさか 中里陶房の作品とは思い難いのですが



















 唐津 粉引(こひき)茶碗
 褐色の粘土を使い、素地がまだ生乾きの時に
 白色の化粧土をかけ、長石釉や木灰釉をかけて
 焼いたものだそうです

 十四代中里太郎右衛門陶房の作品

 今回は 絵唐津ではない器を求めに
 唐津を訪ねました




 最初に 十四代中里太郎右衛門陶房を
 訪ね 並べられた作品の中で 最初に
 眼に入ったのが この作品でした


 三つ星紋は 中里家の家紋のようです
 
 少し厚手の生地に しっかり釉薬がかかり
 両手で持つと 掌にピタリと吸い付きます
 大きさも申し分なし 形も良し
 この日は一日 唐津で過ごすつもりでしたので
 他の陶房も見てから決めても良かったのですが
 第一印象を大切にしました

 水に浸すと見る見るうちに水が肌に染込んでいきます
 使い込むうちに茶渋が入り姿が変わってくるのでしょう
 正に陶器は生き物 萩と唐津は特に使い方で育っていく
 ということを実感します









 下半分が少し黒ずんで見えるのが
 釉の「ひび」の間から器の中に
 水が染込んでいく様子です













 隆太窯です
 













 隆太窯の内部
 日曜日で陶器作りはお休みでした













 轆轤(ろくろ)仕事の道具
 手作りの道具が眼に残りました













 中里隆の作品
 12代無庵の五男
 唐津焼の中では 独創的で挑戦的で
 強い個性を感じます

 以前 ぐい飲みを求めたことが有ります
 とても気に入っていたのですが
 酒が大好きな義父に贈呈しました







 中里隆の息子 太亀(たき)の作品














 三玄窯 無庵の三男 中里重利の陶房

 唐津の伝統を守り 繊細で優しい作風
 商売っ気が全く有りません











 この旅の最初の出会いは
 唐津駅から少し離れた 隆太窯への案内を
 お願いした 運転手の橋野さん

 唐津焼に一番詳しいタクシーですと自負するだけあって
 良く勉強されていて 観光案内所の方から陶房巡りの
 ご案内に良くご指名があるそうです

 三玄窯は 橋野さんが紹介してくれました
 個人的にも 橋野さんは 重利の作品がお好きだそうです












 中里太郎右衛門陶房の直ぐ裏に
 偶然見つけた幸悦窯
















 唐代と先代
 昨年 今年(2月)先代 当代が
 続け様に亡くなられたとのこと












 二人目の出会いは 幸悦窯の女将さん
 唐津焼を熱く語ってくれました
 
 御主人を亡くされ失意の中 23歳の御長男が
 窯を継いで頑張ってくれているとのこと
 娘さんが絵付けの担当
 御本人もこれから作陶に挑戦するそうです

 少し細めに撮ってくださいとのりクエストが
 有りました...












 亡くなられた当代は 轆轤仕事がとても丁寧で
 形にはとてもこだわっていたそうです
 青唐津象嵌がお得意とのこと

 一度お伺いして 中里さん兄弟の陶房を
 巡ってから もう一度訪問し
 中央の二点を譲って頂きました
 当代の作品としては珍しいを選びました
 






 此方も唐津
 藤ノ木土平氏作

 セットものを一枚だけ
 分けて貰いました

 多分東京で求めたら
 数万円は下らないでしょうと云われました

 飾り皿としてでも充分通用します





 早速鯵を乗せてみました














 土平の皿は 唐津駅から北へ向かい
 商店街に入り口付近
 「炎群(ほむら)」で求めました

 この店は 商品を作家別には並べず
 番号を付けてその番号で作者がわかるように
 工夫されています

 この女将は 作品全ての作者が頭に入っていて
 丁寧に説明してくれました



 幸悦窯についても 「轆轤の名人でしたね 陶房の経営に追われて 作品を作らぬまま
 亡くなってしまって さぞ無念だったと思いますよ」と教えてくれました
 唐津焼というと 絵唐津が知られているが絵唐津はむしろ雑器であり 作品としては安物
 陶器の歴史としては 1200年代まで遡れる日本でも一番古い焼き物であると教えて
 貰いました
 時間が有れば もっと話して居たかったのですが 話せば話すほど沢山買わされて
 しまったかも知れません



 斑唐津です

 解説に曰く

 藁灰で作られた白色の斑釉をかけたものを
 いい、別名を白唐津ともいいます。
 「斑」と呼ばれるのは、粘土に含まれて
 いる鉄分などが、器の表面に溶け出し、
 青や黒の斑点が現われることから名付け
 られています。また使い込むほどに色合いが
 変化していくのも、斑唐津の魅力のひとつ
 です。

 朝鮮唐津は 一番古い技法のようで 使い込まないと味が出てきません
 この器は 野点用の茶碗の大きさです
 湯飲みにして見たいと思っています



 唐津の幸悦窯で心を奪われた彫青唐津
 漸く自宅に届きました

 青磁の美しさを陶器に移すと
 このような作品になるのかなと
 
 見飽きない作品です








 幸悦窯 二代瀧下幸悦作

 お値段? 内緒です
 窯元だからとても安価だったかも知れません

 東京の展示会場で買い求めたら
 手が出なかったと思います








 ひびに色が入ってくると
 又趣が変わると思いますが
 このままにして置きたいという
 誘惑にも駆られます

 窯元の女将からは
 倉庫に仕舞って置くより
 お客様に育てて貰うのが
 本望ですと言われ悩んでいます






 井戸茶碗のようにそれ程は大きく
 広がっては居ません
 楽のように底まで真直ぐ縦に
 深いものが好きなのですが
 掌にはピタリと吸い付きます

 急逝された二代目の彫青唐津としては
 残った最後の一つと云われ頂戴するのを
 躊躇しましたが 気持良く譲って
 いただけました





 唐津焼 隆太窯

 中里無庵(十二代中里太郎右衛門)の五男 中里隆氏と
 ご子息の太亀(たき)氏の陶房

 唐津焼としては 大胆で個性の強い作風です

 














 市内からかなり南に下がった 
 見借(みるかし)という地区の山間に
 ひっそりと佇みます

 










 多分ご自宅であろうかと思います

 端整に整備された上り坂の先に
 静寂な世界が広がっているような
 印象を持ちました

















 今回 ぐい呑みです

 「隆太窯」中里太亀(たき)さんの作品

 四半世紀前に手に入れたぐい呑みは
 彼の父親「中里隆」さん
 隆さんのぐい呑みは 今では3万〜5万円
 東京で買ったら もっと高い値がつくと
 思います






 直径7cm 少し大きめです

 旨いですよ 此れで酒を呑むと...












 隆太窯に着いたら この方が轆轤(ろくろ)を
 廻して作陶中でした
 写真を撮っても良いですかとお聞きしたら
 どうぞ と 一言

 陶房の方だろうと 気軽に声を掛けました
 
 「昔 中里隆さんのぐい呑みを買いました」と
 お話すると「どちらからですか?」と質問
 「千葉です」と答えると
 「最近 父が千葉で展示会を開きましたね」
 「え? ひょっとして 太亀さんですか?」
 「そうです」
 「....」

 何と隆さんの御子息 太亀(たき)さんご本人でした






 手元の仕上がったばかりの作品は
 未だ水分が表面に浮かんでいて
 瑞々しい美しさでした



















 新宿で開催された作品展に
 太亀さんの作品
 唐津で作っておられた皿でした

 5枚で1万円
 衝動買いしようかと
 少し心が動きました










 釉薬がかかると また印象が変わると
 思いますが このままでも素敵な器です




















 作品の展示室で出された茶器
 柔らかな五角形がとても素敵です
 (お茶も旨かった)

 一客 2千円 喉から手が出ていましたが
 今回は諦めました 

 今は買わぬ後悔中です







 唐津駅に立つ 五足の靴文学碑

 五足の靴の主は
   与謝野鉄幹 「K生」
   木下杢太郎 「M生」
   北原白秋  「H生」
   平野万里  「B生」
   吉井勇は  「I生」

 岩波文庫「五足の靴」(2007年刊)は
 100年前の文豪達の紀行文だそうです




 唐津城築城400年の幟と
 陶製の唐津曳山

 昔 唐津の駅前には鍋島藩の
 製鉄所の模型が有った様に思うのですが...

















 この旅で出逢った 子猫
 ご家族で 朝の散歩中でした
 母親(?)は 真っ白でとても美形でした
 未だ 世の中怖いもの知らずで カメラを向けても
 暫くはじっとしていました

 母親は カメラを向けるとあっという間に
 家族を引き連れて駆け抜けていきました












唐津焼物語