てんぷら 近藤



 天婦羅の巨匠と云えば みかわ是山居(ぜざんきょ) 早乙女哲哉氏と
 てんぷら近藤の 近藤文夫氏 赤坂楽亭の故西山さん

 近藤さんの務めた山の上ホテルで近藤さんの先輩だった西山さんが赤坂に開いた「楽亭」は
 若き日に かき揚げ丼をランチで堪能したお店でした
 胡麻油の強烈な匂いが服に移り かき揚げを食べたことが直ぐにバレたのも愉しき想い出です
 寡黙な西山さんが一言も話さず黙々と天婦羅を揚げる姿は 職人の極みでした

 赤坂には「天茂」という かき揚げ丼の名店もありました
 ご主人が急逝され 全く未経験だったお嬢さんが店を継がれて今も健在です


 近藤さんは 昭和22年生まれ 既に古希を超えられて居られますが
 今も元気に厨房に立たれて居られます

 てんぷらは 揚げ物ではなく「蒸し物」と いつも話されています

 初めて お店に伺いました
 予約を取るのに 何度電話したことか
 2か月半ほど掛かって 漸く予約が取れました

 店の方に勧められた席は カウンターの真横の席
 近藤さんの手元が良く見える 特等席でした







 近藤さんは 21年間山の上ホテルを務め 池波正太郎氏の勧めで独立
 暖簾の文字は 確か池波さんの直筆だったはず






















 コースの最初は 海老の頭から
 2尾 提供されるようです

 カリッとした触感
 饗宴が愉しみな始まりです

 お店の方の了解を戴いて 写真を撮らせていただきました

















 一尾は 塩で
 もう一尾は タレで

 海老の甘さが口に広がります
 もう笑顔が零れ落ちるひと時です

 此れから先の饗宴が愉しみになるひと時です

















 牛蒡(ごぼう)です
 柔らかで 苦みもありません






















 ピーマン
 小ぶりでコリっとした触感

 野菜嫌いが 野菜好きになる
 こんな言葉が 美味しさを例えるのに一番相応しい美味しさでした




















 定番のキスです

 天婦羅には白身が似合います
 中でも キスが一番





















 茄子 
 私は 日頃茄子は自分からは食べませんが 此れは美味しい
 と感じます





















 ホタテです

 小振りですが 厚みがあり
 旨味たっぷりです





















 玉ねぎ 
 小振りですが 丸まま一つ






















 穴子
 外はカリッと 中はしっとり






















 此方が 近藤名物 サツマイモ

 この一品だけ コースには入っていません
 20分ほどかかるので 最初に注文しておきます

 此れだけの厚みがあるのに キチンと芯まで
 火が通っています
 それ程甘みが強くなく 程よい甘さ
















 鮎 です
 
 塩焼きは 御馴染みですが
 天婦羅でも 美味しいです

 衣は 極限まで薄くして揚げています
 匠の技という印象です

















 冬瓜(とうがん)

 天婦羅で食べるのは初めての経験です

 




















 締めは かき揚げの天婦羅茶漬け

 小振りで 丁度良い量でした





















 デザートは 西瓜
 
 脂が廻った口の中を
 すっきりさせてくれます




















 小振りな 朝顔の色絵の湯飲み

 余韻を愉しみます

 美味しゅう御座いました
 ごちそうさまでした

























 お客様は 結構 中国の方が多い
 銀座は 東南アジアに占拠されてしまったようで 寂しく思います
 背広の接待族は この店でも見受けられません