三橋 節子
滋賀県大津にある 三橋節子美術館です
昭和50年 35歳の若さで亡くなられた 三橋節子さん
京都市美術大学を卒業され 将来を嘱望された三橋さんは
昭和48年右鎖骨の癌により利き腕の右手を切断しますが
懸命のリハビリにより 左手での制作活動を続けられました
利き腕を奪われての生活だけでも大変なのに 二人の子供を育てながら 創作活動を続けます
ご自身の命が短いことを自覚していたのでしょう
残された2年間の作品は 緊張感を覚えます
此方が絶筆の 余呉の天女
病室にキャンバスを持ち込んで 懸命に筆を持ったそうです
間もなく終わる命を懸命に削って描いたような作品です
代表作 三井の晩鐘
近づいてみて 絵筆の使い方を調べますが 良くわかりませんが
絵具を塗り重ね 削り 微妙で幽玄な色彩を表現し
細い棒の様なものでキャンバスを引っ掻いているように見えます
細い輪郭線も書き込まれて居ます
院展とか 二科展に行くと こんな色使いや絵筆の用い方をした絵をよく見ます
絵具をこそぎ落としたり 傷を入れたり とても手間のかかった描き方のようです
このようなタッチの絵は 何方かと云えば苦手なのですが
何故か 彼女の作品には強く惹かれます
黄金比率ではなく 方形に近い変形のキャンバスを 上手く使っています
花折峠 誰もがミレーのオフィーリアを想起することでしょう
モチーフは オフィーリアを借りているのかもしれませんが
作品は まぎれもなく三橋節子の世界を描いています
地元大津の花折峠にある民話に題材を求めています
改めて比べてみると 二枚の絵の共通点は 余り感じません