雑学の泉



石垣の組み方 (04.08.25)


 金沢城内で勉強しました


 野面積み

 自然の石や 粗割しただけの石を用います

 背面の石が石垣の歪みを狂わせない
 仕掛けです












 打ち込みハギ

 形や大きさを揃えた割石を
 用いて積み技法













 切り込みハギ

 割石を丁寧に加工し
 隙間無く積む方法













 切り込みハギの背面
















 金沢城石川門石垣

 左側が打ち込みハギ

 右側が切り込みハギ

 同じ石垣に2種類の異なる工法が
 並べられて使われるのは極めて
 珍しいことです








 石川門の奥に再建された
 五十間長屋

 明治初期に陸軍が使用していた頃に
 残されていた図面に基づいて
 再現されました

 この奥に天守閣が聳えていました










 五十間長屋内の階段

 この急勾配は この時代の普通の
 角度のようです

 安土城天主閣の階段も
 この急角度でした















 長屋内の木組み

 日本建築ならではの
 技術の極みです











左馬をご存知ですか



 左右逆に書く鏡文字
 裏返しの馬の字「左馬」には
 色々な由来が有ります
 
 「うま」を逆から読むと「まう」で
 目出度い席で舞われる「舞」を連想させ
 福を招くとされました

 馬の字の下の部分が巾着(財布)の形に
 似ており金が逃げないとの縁起を
 担いだとの説も有ります

 「左馬」の姿が「右に出るものなし」
 「左団扇(うちわ)」に通じる大吉兆の
 形として珍重されたのだそうです

 江戸時代、芸者の三味線の堂裏にも書かれていたのは 馬は倒れる時に必ず右倒れ
 になり 絶対に左には倒れないことに因み 寝やすい方には寝ない 芸は売っても
 身は売らないという心意気を表したとも云います

 縁起物説

 陶芸の世界では 新しく窯を開いた時に馬の絵や「馬」の字を右向きに茶碗に
 描き焼いて配る慣わしがあり この茶碗を使うと脳梗塞や脳血栓などの病気に
 罹らないという言い伝えがあるそうで縁起の良いものとされました

 技量説

 右向きの馬の絵を書く尻尾や鬣(たてがみ)を描く時に右から左へ絵筆を走らせ
 ねばならず描き難い高度の技法で絵付けの技量を競い合ったそうです
 作陶家は自分の技量を「左馬の茶碗で誇り 作陶の願いと心意気を初釜の左馬の
 茶碗に込めます

大日本国璽 (04.12.26)


  1871年制定 三角寸の純金製(4.5kg)

 勲記にのみ用いられます

 京印章の名匠 安部井礫堂(あべいれきどう)
 が制作
 字体は篆書









君が代の由来


 鎌倉 東慶寺 さざれ石

 岐阜県揖保郡春日村から運ばれたもの
 春日村のこの石を詠んだが君が代の由来とか
 国歌発祥の地だそうです
 







 与謝野鉄幹の謡った名曲「人を恋うる歌」の全曲は 以下の通りです

 鉄幹は 所謂壮士としてソウルに在住していたことがあります
 明治28年10月8日 在朝鮮国特命全権公使 三浦梧楼が 閔妃殺害というクーデターを起こしたとき
 鉄幹もクーデターの一員として活動をしていました 
 偶々 腸チフスで入院していたため参加出来ず 事件後日本に送還されます 
 この歌は その時の心境を謡ったものだそうです

 


 

〇明治34年3月15日発行の『鉄幹子』による本文 
 

      人を戀ふる歌                 
           
(三十年八月京城に於て作る)

 

 

 

 妻(つま)をめどらば才たけて
 顔うるはしくなさけある
 友をえらばば書を讀んで
 六分の?氣四分の熱

 戀のいのちをたづぬれば
 名を惜むかなをとこゆゑ
 友のなさけをたづぬれば
 義のあるところ火をも踏む

 くめやうま酒うたひめに
 をとめの知らぬ意氣地あり
 簿記
(ぼき)の筆とるわかものに
 まことのをのこ君を見る

 あゝわれコレッヂの奇才なく
 バイロン、ハイネの熱なきも
 石をいだきて野にうたふ
 芭蕉のさびをよろこばず

 人やわらはん業平
(なりひら)
 小野の山ざと雪を分け
 夢かと泣きて齒がみせし
 むかしを慕ふむらごころ

 見よ西北
(にしきた)にバルガンの
 それにも似たる國のさま
 あやふからずや雲裂けて
 天火
(てんくわ)ひとたび降(ふ)らん時

 妻子
(つまこ)をわすれ家をすて
 義のため耻をしのぶとや
 遠くのがれて腕
(うで)を摩す
 ガリバルヂ
や今いかん

 玉をかざれる大官
(たいくわん)
 みな北道
(ほくどう)の訛音(なまり)あり
 慷慨
(かうがい)よく飲む三南(さんなん)
 健兒
(けんじ)は散じて影もなし

 四たび玄海の浪をこえ
 韓
(から)のみやこに來てみれば
 秋の日かなし王城や
 むかしにかはる雲の色

 あゝわれ如何にふところの
 劍
(つるぎ)は鳴(なり)をしのぶとも
 むせぶ涙を手にうけて
 かなしき歌の無からんや

 わが歌ごゑの高ければ
 酒に狂ふと人は云へ
 われに過ぎたる希望
(のぞみ)をば
 君ならではた誰か知る

「あやまらずやは眞ごころを
 君が詩いたくあらはなる
 むねんなるかな燃
(も)ゆる血の
 價すくなきすゑの世や

 おのづからなる天地
(あめつち)
 戀ふるなさけは洩すとも
 人を罵り世をいかる
 はげしき歌を秘めよかし

 口をひらけば嫉みあり
 筆をにぎれば譏りあり
 友を諌めに泣かせても
 猶ゆくべきや絞首臺
(かうしゆだい)

 おなじ憂ひの世にすめば
 千里のそらも一つ家
 おのが袂と云ふなかれ
 やがて二人
(ふたり)のなみだぞや」

 はるばる寄せしますらをの
 うれしき文
(ふみ)を袖にして
 けふ北漢の山のうへ
 駒たてて見る日の出づる方
(かた)

 特に8番の歌詞にある 三南は 忠清 慶尚 全羅の三道の意
 親日派は悉く虐殺粛清され 北方ロシアに抑えられているという寓意だそうです(岡崎久彦氏の解説)


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 PETER RABBIT を ご存知ですか?
 
 英国の絵本作家 BEATRIX POTTER の 作品です

 彼女の生誕150年を記念して 渋谷bunkamuraで 作品展が開催されています

 左の写真は 彼女が10代の頃に飼っていたウサギのデッサン 繊細な筆致に驚かされます
 彼女は絵の才能も豊かで ジョン・エヴァレット・ミレーに評価されたこともあるようです





 今回は 彼女のデヴュー作でもある「ピーターラビットのお話」の原画 全44枚が並びます
 印刷技術が進んだとはいえ 原画の美しさ 繊細さ 色使いは 原画を見るとその素晴らしさに感動します